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シーランチ・コンドミニアム

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サンフランシスコからレッドウッドの森をぬけて、海岸線沿いに北へ約160キロ行くと、強風と荒波がすごいシーランチ(海の牧場)という土地があります。そこにチャールズ・ムーアのシーランチ・コンドミニアムが、断崖の上で荒々しい海へ突き出すかのように建っています。


シーランチ・コンドミニアム(1965) チャールズ・ムーア




シーランチ・コンドミニアムは週末用のコンドミニアムとして建てられ、まるで積み木のように10戸がくっついて建っています。
なーんにもない荒れた土地 に開発業者のアルフレッド・ポークは、
「自然環境を破壊せずに人と自然がどのように共存していくのか?」をテーマにし、ここでの開発を決意します。
そしてローレンス・ハルプリンに生態系など約1年をかけてここの土地調査を行ってもらい、その結果を受けて、
「自然を売りにするなら、極力何もしないことが最善である」と結論付けます。

そんななかでその難題を解決する為に、コンドミニアムの設計をチャールズ・ムーアに依頼します。
これを受けてムーア先生は、建築木材を地元のレッドウッド(杉)を使用したりして、ここの自然環境に負担をかけない、
自然のなかに溶け込む住宅を試行錯誤しながら実現してゆきました。

ここのリゾートはいわゆる緩い開発ではなく、都会的な生活から一変する殺風景なところで、
強風と荒波のなかに自分自身を置き、見つめなおす機会を与えてくれる癒しと戒めのためのものだといえるでしょう。
その後も北のエリアには、シーランチ・コンドミニアムをデザインモデルにした大規模なリゾート開発が今も進んでいます。





オリジナルをご覧ください。














強風が吹いて飛ばされてしまうため、軒も庇もありません。











もともとこの地にある納屋のデザインが基本なので、永遠性があり古さを感じさせません。











すばらしい。

































今が永遠に続くかのように、訪れる者に語りかけてくれます。

Tabi/世界の建築 2011年9月
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